お金の失敗談

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第18回:ネットオークション

ネットオークションはインターネットの普及の広がりとともに1998年頃から日本を始め、世界中で広がりました。今ではオークションではなく通常のネットショッピングであってもオークションサイトでの購入が広がっており、私たちの生活の中に深く浸透しつつあります。しかし通販会社などが提供するネットショッピングなどとは違い、全ての人が善良な人とは限らないことからトラブルは起きやすい状況にあり、最近では詐欺の手口も巧妙化してきました。そこで、今回はネットオークションにおける失敗談についてお話ししたいと思います。


「コンサートにどうしても行きたい」という思いが強すぎて・・・

吉村さん(28歳:独身女性)はある海外アーティストの大ファンで、今度5年ぶりに来日するということで、なんとしてもコンサートチケットを手に入れたいと考えていました。そこで、会社を午前中お休みして電話予約を試みましたが、残念ながら電話はつながらず、チケットは開始からわずか10分で完売してしまいました。どうしてもそのコンサートに行きたかった吉村さんは、オークションサイトでチケットを取ろうと思いました。 しかしながら、オークションでも残念ながら他の人に落札が決まってしまい、コンサートをあきらめかけていました。

さて、ネットオークションを行った2日後に吉村さんに1通のメールが届きました。「このたび最高額で落札した人が落札取り消しの申し出をされました。次点繰り上げをするとあなたが落札者となりますが、この場合、以後、その人のオークションでの信用がなくなってしまいます。これでは気の毒な気もしますので、オークション内で正規の次点繰り上げとはせずに、内々で直接あなたと取引をしたいと考えておりますがいかがでしょうか。」

そのアーティストの熱狂的なファンである吉村さんは思いもよらない話だったので、そのメールにすぐに返答をし、5万円を振り込みました。

ところが、何日経っても返答は来ず、当然のことながらチケットも送られてきません。何度もメールを送ったのですが全く返答はなく、不審に思った吉村さんはインターネットで検索したところ、同じような被害にあった人が他にもいたため、そこで初めて自分が詐欺にあったとわかりました。

騙されたことやコンサートに行けないという事実に加え、普段は慎重な性格なのに舞い上がってしまい軽率な行動をとってしまったこともあり、悔やんでも悔やみきれない事件となってしまいました。


ネットオークションの利用は今後も増加傾向

ネットオークションの利用用途としては幅広く、探していた商品が見つかりやすい、安い値段で購入できる、フリーマーケットのように価格交渉をする煩わしさがない、などの他にも、落札時間寸前での他人との競争をゲーム感覚で味わえる、などの理由から利用者は急速に増加しました。
以下の図は大手4社のネットオークションの利用件数推移です。

ネットオークション出品数の推移(2001.8〜2009.8)

(aucfan提供:2009.8)

このグラフを見るとネットオークションの利用件数は2001年からほぼ右肩上がりで増加していることがわかります。しかし、顔が見えない相手とのビジネスはどうしてもトラブルが多くなります。ネットオークションが広がっている以上、トラブルも増えていくことは十分に予想されます。

今回吉村さんが引っかかってしまった詐欺は通称「次点詐欺」といわれるものです。次点詐欺に大きく分けて以下の3つのパターンがあります。


 


 

(参考:ネットDEけいしちょう 警視庁ホームページ)

では、今回どうやって吉村さんのメールアドレスがわかったのでしょうか。実は、犯人は入札履歴を見て参加者のメールアドレスを推定します。多くの人が、ユーザIDをそのまま使ったアドレスを使用しているため、犯人にメールアドレスを推察されてしまったのが要因でした。


ネットオークションで気をつけるべきことは?

では、ネットオークションを行う上で取引相手が信用できるかどうかを調べるには、どんなことに注意すればよろしいのでしょうか。
大きく分けて、以下の3点が重要であると考えられます。

1.サイトの評価欄で、出品者の過去の取引を確認する
2.携帯電話番号や住所などを確認し、念のために事前に連絡を取る
3.エスクローサービスを利用する

1.サイト評価欄で出品者の過去の取引を確認する
オークションサイトには出品者が過去の取引において、その人の応対が良かったかどうかを出品者と落札者でお互いを評価する欄があります。その履歴のコメントを見れば少なくとも過去どれくらいオークションの経験があるか、あるいは応対がきちっとしている人かどうかなどのおおよそを推測することができます。

2.電話番号や住所などを確認し、念のために事前に連絡を取る
価格や重要度に応じて、メールだけでなく電話番号や住所なども確認をし、事前に連絡を取るようにしましょう。これを行うことで、架空の住所やあるいは架空の電話番号を使っていないかどうかをある程度把握することができます。

3.エスクローサービスを利用する
エスクローサービスとは、出品者と落札者の間に入ってお金と商品のやりとりを行うスムーズに行えるようにするサービスのことです。具体的には、まず買い手から代金をエスクロー提供会社が一時的に預かり、買い手が商品の受領・内容物の確認を行った後にエスクローサービス提供会社が売り手に代金を支払うという流れになります。エスクローサービスの利用料は場合にもよりますが、数十円から100円程度と利用しやすい金額設定となっています。

ただし、ネットオークションは個人間取引が原則になりますので、ここに気をつけていれば100%問題ないということはありません。したがって、まずはあやしいと思うような出品や誘いに乗らないということが原則です。また、慣れていないうちは少額の取引にとどめておくということも重要です。
なお、トラブルを未然に防ぐために、「IDとメールアドレスを一緒にしない」あるいは取引時の出品者の情報(出品者ID・ユーザ名・オークションのURL・出品者とのやり取りの控えなど)は記録しておくようにしましょう。


自分が落札したときは速やかに連絡しましょう

ネットオークションを行ううえで、まずは騙されないことが一番大事なのですが、気にすべきことは相手のことだけではなく、自分の行動についてもきちっとチェックすることが重要です。つまり、落札者(つまり私たち)が取引相手のことを知らないように、出品者側も同様に私たちのことを知りません。したがって、お互いに気持ちよく取引をするためには、落札されたら、なるべくすぐに出品者側に連絡をしてあげましょう。また、銀行振込の場合なども早く処理をしてあげることが大事です。そして、最後に全ての取引が終わったら相手側を評価してあげましょう。このことにより、取引相手もオークションサイトにおけて「良い評価」がひとつ増えますし、私たちも逆に「良い評価」が得られることでしょう。


執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFPR、日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー、日本応用カウンセリング審議会認定心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信事業者に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。

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