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第19回:留学の準備

昔は留学というと、海外生活体験を目的とした留学や奨学金や大企業による社費留学などを除けば、あまり個人で行く人は多くありませんでした。しかし、1980年代の後半あたりから、円高が進むにつれて個人での留学が多くなってきました。今では単なる語学留学のみならずワーキングホリデーを利用した留学やボランティア留学など様々な形態の留学があり、現在では日本から毎年約10万人の人が海外留学をしています。目的は人それぞれによって違いますが、文化や言語なども違う世界に飛び込むわけですから、最初はわからないことだらけです。したがって留学の準備は色々と自分で調べなければならない最初の大仕事になります。そこで今回は留学の準備における失敗談についてお話したいと思います。


留学するまでが大変・・・

秋山さん(28歳:男性)はある貿易会社に勤務しています。3年前に取引先であるニュージーランドの会社に出張した時にニュージーランドの大自然に魅せられ、そのときに「お金が貯まったら会社を辞めてニュージーランドに留学しよう」と心に決めました。

それから3年が経過し、コツコツと貯めてきた留学資金もある程度まとまったお金になってきたので、留学の準備に本格的にとりかかることにしました。最初に秋山さんは、留学エージェント(留学斡旋会社)を使って情報を集めようと思っていました。しかし、会社の先輩からは「留学エージェントを使うとサポートや手続きで10万円以上かかるし、それに留学に行くならば手配を自分でやること自体が勉強なのだから、留学エージェントは使わない方がいいよ」というアドバイスをもらい、留学の手配は全て自分でやることにしました。

ところが、秋山さんが実際に自分で留学の手配を準備し始めると、想像以上に大変な苦労の連続でした。まず、どこの語学学校が自分に合っているのかがよくわかりません。複数の資料を学校から取り寄せてみたのですが、実際にパンフレットを読んだだけではどんな学校かはよくわからず、もちろん学校の評判などは調べようがありません。また、当然のことながら申込書の説明も全て英語で書かれており、一生懸命辞書で単語を調べながら申込書を作成して送ってみたものの、今度は学校からの返事がなかなか来ません。ようやく返事が来たかと思いきや、書類不備ということで送り返されてくる始末。しかも、具体的にどこをどう直してよいのかがわかりません。このままでは留学の時期に間に合わないと思い、直接話しをするために飛行機で現地に行くことにしました。ところが実際に行ってみて驚いたのですが、なんと語学学校の生徒はほとんど全員が日本人。せっかく学校に通って英語を学ぶのに、日本人しか周りにいないのでは英語の上達は望めない、と思った秋山さんは、結局その語学学校に入るのをあきらめ、留学エージェントを使ってもう一度最初から調べなおすこととしました。

留学エージェントを使ってからの留学準備は驚くほどスムーズでした。まず最初に留学カウンセリングを実施し、秋山さんの目的にあったプランを提示してくれます。次に語学学校選びでは、学校の情報量が非常に多くしかも日本語で入手でき、評判の善し悪しなど、個人ではとても手に入らないような情報も手に入れることができます。そして、語学学校の申込みも手配してくれますので、秋山さんは必要事項を日本語で記載するだけ。現地で何かあったときの日本語サポートなどもあり、留学先でも何かと安心です。実際に留学エージェントに支払ったお金は約10万円。最終的には秋山さんはようやく自分に合った学校を見つけることができましたが、こんなことならば最初からエージェントを使っておけばよかった、と後悔しきりでした。


留学エージェント VS 自分で手配

留学を検討する際に、まず留学エージェントに依頼した方が良いか、自分で手配するかを考えましょう。どちらが良いかは、人それぞれによって違います。
以下の図をご覧ください。

  留学エージェントを利用 自分で手配
費用 手配料が不要 手配料が必要
語学力 不要 語学力が必要
時間 時間が節約できる
(日本語で最低限のやり取りでOK)
多くの時間がかかる
(各種手続き/現地語で対応要)
情報 情報量が多い
(学校の評判なども手に入る)
情報量が少ない
(情報が偏りやすい)
現地サポート 有り
(現地で日本語サポートの窓口を用意していることが多い)
無し
(現地の友人・知人を早く作る必要あり)
コンサルティング 有り
(日本語で予め相談できる)
無し
(自分で全て調て判断する必要あり)
トラブル時サポート 有り
(留学会社に相談できる)
無し
(独力で解決)

まず費用面から考えると、自分で手配した方が当然のことながら安くすみます。しかし、自分で手配をするには、まず語学力が必要です。語学力に自信がない人は留学の準備段階から全て英語で対応するのは厳しいと思われますので、エージェントを使うことをお勧めします。また、たとえ語学力に自信があったとしても、留学の準備を全て自分で手配をするのは時間も労力も多く必要としますので、忙しい人など時間的に制約がある人も同じくエージェントを使うと良いでしょう。

また、情報量や留学までのサポート、現地でのトラブル時の対応についても圧倒的にエージェントを使った方が何かと便利です。そもそも留学の目的は「無事に留学の手配ができること」ではなく、「有意義な留学」にすることですから、そのような点を含めてエージェントを使うかどうかを決めることが重要といえます。

ちなみに今回の秋山さんのケースで言えば、費用面から考えて当初は「自分で手配」という選択をしましたが、多大なる時間と労力をかけた上、結局語学学校とうまくやりとりができずに、最終的には現地まで行ったため飛行機代までかかってしまったことを考えると、留学エージェントを使った方がはるかに効率的で安上がりだった、ということが言えます。


留学エージェントを選ぶ際に気をつけるべきことは?

では留学エージェントに依頼すれば必ずうまく行くのでしょうか。残念ながら、実は留学エージェントによってサービスに差があり、必ずしも全てのエージェントが良心的であるとは限りません。また、最近では詐欺まがいの悪質な留学エージェントも増えつつありますので、注意が必要です。

では、どんな点に気をつければよいでしょうか。以下の4点が重要であると考えられます。

1.留学カウンセラーが親身に相談に乗ってくれるか
2.質問などをした際に、回答や対応が早いかどうか
3.トラブルが起きやすいポイントについてしっかりと説明してくれるか
4.時期がまだ先(1年以上など)なのに、申込を迫られることはないか

1.留学カウンセラーが親身に相談にのってくれるか
特に留学経験のない人にとって、留学カウンセラーのアドバイスはとても心強いものです。ところが実際には、希望国以外の留学を一方的に押し付けられたり、あるいは高圧的な態度で対応され、怖くてろくに質問もできなかったり、ということもあります。
また、やたらに他の留学エージェントの批判や悪口を言うところは要注意です。

2.質問などをした際に、回答や対応が早いかどうか
特に留学先への申込手続きなどについては迅速かつ正確な対応が要求されますので、何か質問や依頼事項があった際に迅速に対応してくれるかどうかは重要なポイントです。質問をした後でも全く回答がない、あるいは催促しても返信をしてくれない会社もありますので、迅速かつ適切な対応をしてくれるかどうかをチェックしましょう。

3.トラブルが起きやすいポイントについてしっかりと説明してくれるか
しっかりしている留学エージェントであればトラブルの多い点について予め丁寧に説明してくれます。特にキャンセル規程については、理解できるまで詳しく聞き、納得した上でサインをするようにしましょう。

4.時期がまだ先(1年以上など)なのに、申込を迫られることはないか
一般的に申し込みは出発時期の4ヶ月ぐらい前までが目安ですので、出発時期の2〜3ヶ月前であれば申込を急ぐ必要があるかもしれません。しかし、1年以上前の出発にも関わらず申込を急がせる会社であれば注意が必要です。先日倒産した大手留学会社についても、かなり申込を急がせていた経緯もあるので、そのような場合には会社の経営状態に影響していることも考えられます。

以上の4点に気をつけながら、留学エージェントを選ぶようにしましょう。
まずはインターネットなどで留学エージェントの評判を調べておき、良さそうなところを2〜3社を選んで、実際に行って話を聞きながら比較してみることをお勧めします。
実際にかかる留学の費用は決して安いものではありませんから、十分に留学の準備をした上で、充実した悔いのない留学生活を送っていただきたいものです。


執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFPR、日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー、日本応用カウンセリング審議会認定心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信事業者に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。

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